TOKO Pride 2.5x Opera Glasses

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MADE IN OCCUPIED JAPANの刻印があるので、第二次世界大戦後、GHQ統治下に製造された輸出向け製品です。1947年頃から1952年までの約5年間に製造された輸出向け製品には”MADE IN OCCUPIED JAPAN”と表示することが義務付けられていたそうです。

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メーカーはTOKO(東京光学機械株式会社)、現在の社名はTOPCON。トプコンのサイトによれば、東京光学機械株式会社は、「服部時計店精工舎の測量機部門を母体とし1932年に創立。測量機、双眼鏡、カメラの他、主に陸軍向けの照準眼鏡を生産。」とあります。海軍向けの光学機器を製造していたのが、日本光学(Nikon)だそうです。

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対物レンズの口径は実測で25mm、倍率と比べて大きいので明るいのが特徴です。専用の本革ケースも残っていました。接眼レンズを左に回すと容易に外れたので、レンズ内側の汚れをレンズクリーナー液で洗浄しました。眼幅(左右の瞳と瞳の間隔)は63mmぐらいで固定されており、調節不可。

TOKO Pride 2.5x Opera Glasses Made in Occupied Japan

本体を金属クリーナーと革用クリーナーで磨けば、60年近く前に製造されたものとは思えないほどきれいになりました。

5 thoughts on “TOKO Pride 2.5x Opera Glasses

  1. 筆者 様

     非常にシンプルなデザインで、無駄をそぎ落とした「究極の美」ですね。TOPCON製だとは驚きました。

     TOPCONは、工業用光学器機では有名なメーカーで、私が20代の頃、某、大阪門真の会社で働いている時、私の仕事は精密測定エンジニアで、当時オプティカルスケールで、寸法を読み取るTOPCONの測定器を使用していましたが、上司にお願いして、SONY マグネスケールが搭載されている機種を購入して頂いた事があります。この測定器、当時、カールツアイスUMMの向こうを張る程の非常に精度の高いレンズが搭載された二次元光学測定器でした。単眼レンズでしたので、利き目(左目)をシャドウ状態での下からの強制的な光で、一時期、視力が低下しましたが、視力回復時間を決めて作業してからは、元も戻った記憶があります。TOPCON、懐かしい名前です。

    Jim,

    1. TOPCONは名称だけしか知らない会社でした。現在は主に測量機器と眼科医療向け機器、半導体関連の検査機器を製造しているようです。

      この双眼鏡、フォーカシングリングの動きが硬くなっていますが、明るくて鮮明なレンズなのでまだまだ使えそうです。

  2. 筆者 様

     現物のフォーカス機構を見ていないので、余り確かな事は言えませんが、フォーカス機構部分を慎重に分解出来る様でしたら、スライド機構面もしくはスクリューを、歯を磨く歯の隙間用ブラシ位の毛先のものに、台所用鍋磨きなどに使う「ジブ」と言うクリーム状の磨き剤を付けて(逆に言いますと、歯磨きチューブでも良いです。歯磨きチューブのGlueにも研磨剤が含まれていますので)スライド表面の汚れ(これが、素雷で面のスムースさを損ねている)を落とし、その後しっかりと洗浄し乾燥させた後に「ワセリン(固形オイル)」を薄く塗って組立直すと、少しはがたつきがなくなると思います。歯ブラシで「ゴシゴシ」擦るのではなく、優しく気長に全体を満遍なく軽く擦って行って下さい。

     精密金型等でも、見た目や指触感(指で表面を触った時の、微細な凹凸感)で、表面が綺麗でも、若干の汚れ、不純物でスライド面またはスクリュー面に「ガタつき」や違和感が生まれ、それが最終的にスライド部分に細かい「擦り傷」を発生させますので、成形金型等の鏡面仕上げのファインチューンには、超微細な研磨剤を使用します。この微細さは、歯磨きチューブに含まれている研磨剤より遙かに「#(メッシュ:粒子の大きさ)」細かいのですが、この双眼鏡の組立部品精度なら、表スライド鏡面面研磨は、歯磨きチューブでも十分綺麗になるはずです。

     磨き方は、一定方向には磨かない事です。小さな円を得書く様に磨いて下さい。一定方向に磨くと、細かい磨き筋が入るのと、そこだけ磨き量が変わりますから、スライド面全体を均一に、小さな円を連続で描いて行く感じで、磨いてみて下さい。このメンテナンス方法が、筆者様の参考になれば幸甚でございます。

    Jim,

    1. メンテナンスに関する貴重な情報ありがとうございます。写真に写っているフォーカシングリングのマイナスネジ(対物レンズ側と接眼レンズ側の両方にあります)を緩めて、リングを分解しネジにワセリンを塗布したところ、接眼レンズが上下して、焦点距離の調節機構が使える状態になりました。

  3. 筆者 様

     私の、言葉だけのつたない説明をお読み頂た後、早速に実践頂き、結果的に以前より良い結果を得られました事、お役に立てて良かったと思っています。これで、此の双眼鏡も、双眼鏡として、また、世代の方々の目を楽しませる事が出来ますね。

    Jim,

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