Makeup Shelf and Bath Additives Tower

道を挟んだお向かいさんの依頼を受けて製作した化粧品棚と入浴剤専用棚を持参して、趣味で木工をされているご近所さんのお宅を訪問しました。上の画像はその方が屋久杉を使って製作されたコーヒーテーブル。

4本の脚は天板に直付けで、幕板がありません。木製カーポートやウッドデッキなら製作時の許容誤差は1ミリとか2ミリですが、家具は許容誤差が0.1ミリの世界。共通部分が多いとはいえ、家具製作に使用する道具は一部異なり、別のデザインセンスが問われるように思います。

訪問した理由は、化粧品棚と入浴剤専用棚の妥当な価格はどのぐらいなのか、相談することです。訪問時は化粧品棚のヘアドライヤーを掛けるフックはチープ感が漂う金属製のものでした。家具木工の師匠(と呼ばせていただきます)は、そのチープなフックを見るなり、私ならダボを使いますとの助言をいただきました。それを実行したのが上の画像。

入浴剤専用棚は最上段と台座のみ釘を打って反り防止としました。2〜4段目の棚も釘で固定すべきかどうか、尋ねると、溝を彫って接着剤で固定してあるので、その必要はないと断言されました。釘を打ってあるのを見た人は反り防止というより、棚板を固定するために釘を使っていると思われがちで、それでは高い精度と技術力で製作したことをアピールできないとも言われました。なるほどと納得した私は、最上段の釘を抜いてしまおうかとふと思いましたが、釘穴が残りそうなので、そのままに。

翌日、特注で製作した棚二つは、依頼主の元へと嫁ぎました。価格は師匠提示価格の上限で。工賃を時給計算すれば、法定最低賃金の1/3ぐらいの時給になりますが、趣味の一環ですからこれぐらいが妥当だと思います。

4 thoughts on “Makeup Shelf and Bath Additives Tower

  1. 筆者様

     コーヒーテーブル、いい造りですね、テーブルの足のテーブル天板へのダイレクト固定方法は、「匠」と「巧み」を感じます。私は、木工の技能者ではありませんが、この様な技、実は「機械部品加工」に活かされている事があります。私の部分の技術的な理解は、この様な「匠の技」は、基本的に「組み立て」技術に通じるものがありますし、その技術を施した「機構」は、「長もち」と安定性を維持すると言う事です。あくまでも私の個人的経験による感想ですが・・・。

    Jim,

    1. 幕板なしで天板に脚をしっかりと固定するには高い精度のホゾ穴必須です。このホゾ穴は、角のみを使って空けたと言われていました。前から欲しいと思っている角のみですが、なかなか手が届きません。「匠の技」は手鋸によるオスの部分を切断する過程で発揮すべきものかと思います。今回製作しました入浴剤専用棚の台座と側板との接合部分は蟻組継ぎを採用すれば、強度がさらに向上したと思います。しかし使用した材が軟らかい杉板なので、蟻組継ぎの初挑戦には不向きな材でした。

  2. Jim様

    私も一緒に匠のお宅にお邪魔しました。改めて家具作りの大変さ、繊細さが分かりました。「家具で1ミリ、2ミリ誤差が出れば引き出しが閉まらないと…」匠の経験から出たお言葉でした。

    1. Keaton-San

       私の、機械加工技術の経験から言いましても、0.1mmの精度を、安定して保証するには、0.01mm台の精度を安定させなくてはならない。0.002~5mmの精度を、安定して「保つ」には、0.001mmの精度を、安定して維持出来る「環境」、即ち「温度、湿度、加工条件・・等々」を考慮しての加工が出来なければ、精密機械加工(手仕上げを含む)の「域」には行けません。木工加工の材料にしても「千差万別」、機械加工にしても同じですし、材料の「性質」「癖」を見抜いた上での「材料取り(素材組織の方向性・・等:これは、加工後の「反り」・「歪み」に関連します)」を校了した上での、加工段取り・手順があります。

       多分、木工に関しては、鉄・非鉄材料よりも、遥かに「材料の癖」を知り尽くしている事が、「匠の技」を「極める」一つの要素だと、畑違いの「機械加工」から見ても、より「感性の高い」事が必要だと思っています。これは、機械、木工加工によらず、「加工技術感性」を「磨く」事の経験でしか、会得出来ない領域だと思っております。

      Jim,

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