Hamano Furniture

良質な西洋アンティーク家具を修復、販売する「家具の浜野」を久しぶりに訪れてみたら、店長さんから今年6月に閉店するとの残念な情報を得ました。

下鴨神社の近くにある「家具の浜野」には20年ほど前に幾度となく訪れ、現在のログハウスに引っ越した際には王室御用達ブランドのダイニングテーブルやアンティークの椅子、カーテンなどを買い求めました。当時、親しくなった店員さんが退社されてからは、お店に足を運ぶこともなくなったように記憶しています。

滋賀県内にある西洋アンティーク家具を取り扱う他店と比べると、販売されている家具の価格は決して安くはありませんが、国内でも有数の家具修復技術と品質の高さを考えると妥当な価格設定だと思います。

「家具の浜野」では修復前の製品は販売されておられません。非の打ち所がない完璧な製品のみ、展示販売されています。目利きではない人も安心して購入できるという、新品を取り扱うお店では当たり前のことですが、アンティーク家具を取り扱うお店としては稀有な魅力があります。

閉店の理由は不明ですが、アンティーク家具が以前ほど売れなくなったことが理由の一つではないかと思います。テーブルなど、大きな家具であれば一度、揃えれば一生ものなので、家族構成が変わったり、新居に引っ越すといったことがない限り、買い換えることはまずありません。消耗する家具、例えば、ソファは最近ではIKEAで購入するようになりました。対象とする客層は違っても、実際に我々がそうであるように、チェーン店と競合するようになったのかもしれません。

閉店になるとの情報を知った数日後に、33年間のご愛顧を感謝する閉店セールを知らせる葉書が届きました。先ずは購入履歴がある客のみを対象とした全品売り尽くしセールを3月30日から4月7日まで実施するとのことです。セール価格で家具や雑貨を購入するには届いた葉書を提示する必要があります。謂わば、一見さんお断りセールです。京都らしい。しかし、根拠があります。

偶然ではありますが、「家具の浜野」を紹介してくれた旧友のIさんが、リボンクラフト教室で使用する豪華で大きな作業テーブル若しくはダイニングテーブルを探しておられました。Iさんは婚礼家具一式を「家具の浜野」で購入されたそうです。滋賀県内の西洋アンティーク家具のお店、数軒にお連れしましたが、一目惚れするような家具は見つからずにいました。

我々がお連れした滋賀県内のアンティーク家具店は、修復前の家具を展示販売されていて、注文後に必要に応じて修復するとのことですが、どこまで修復できるのか疑問に感じながら注文することになります。お店というより広大な倉庫に埃まみれの家具が展示販売されていますが、触れたら手は汚れるし、照明が薄暗いので細部の状態を確認することもできません。そうした倉庫型のお店は卸売とか業販と書いてあることも多いので、一般消費者はそもそも対象としていないと言われればそれまでです。

そこで「一見さんお断り閉店セール」にお連れしたら決まりました。1930年代オーク材英国製のドローリーフテーブルをダイニングテーブルとして利用される予定です。サイズ:W1,060+580 x D840 x H750mm(拡張時はW1,640mm)

新装価格の15%引きが閉店セール価格でしたが、店長さんの裁量でプラス5%引きとなりました。

テーブルの他にも40%引きのイタリア製シャンデリアも合わせて購入されました。照明器具はアンティークではなく、未使用品を販売されています。

実はこの日、お店を訪問するのは二度目。開店1時間半後に訪問した時は路駐もできないほどの混み具合で、近くのコインパーキングに駐車しました。その時に”Sold”ではなかったダイニングチェアが、閉店間際の二回目訪問時には”Sold”になっており、「お手を触れないように」の札が貼ってありました。

昼過ぎに訪問した時は店長さんが忙しくて接客できなかったようですが、閉店間際に再訪問した頃には我々がこの日最後の客となり、前回訪問時に約束されていた特別価格の提示をいただきました。

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