Olympus PEN E-P5 w/M.Zuiko Digital 45mm F1.8

P6270004
f/5.0, 1/1000s, ISO: 200

マイクロ4/3規格の明るい単焦点レンズとしては比較的早い時期(シルバー:2011年9月9日、ブラック:2013年6月14日)に発売された45mm F1.8は、M.Zuikoプレミアムシリーズに属するレンズです。そのキャッチフレーズは「美しい背景ボケを、手軽に楽しめる。ママのためのファミリーポートレートレンズ」?このレンズは被写体が猫とか子供だそうです。そんな謳い文句は無視して昨日に引き続き、近くの里山で自然を被写体に撮影しました。

7647237538_68eec80d7f_o
f/2.0, 60s, ISO: 400

45mm F1.8といえば真っ先に思い出すのがポラリエで追尾しながらminority318さんがアンドロメダを撮影したこの一枚。「ママのためのファミリーポートレートレンズ」で星が点像に写っている。収差や周辺部減光がほとんどないシャープな画像を見て、ママ用レンズの実力に驚きました。換算90mmで60秒も追尾したら星が流れてしまうと危惧したものですが、極軸が偶然、合っていたのでしょう。

P6270025
f/5.0, 1/1000s, ISO: 200

35mm換算で焦点距離は90mmなので中望遠レンズとなり、それほど被写体に近づかなくてもマクロっぽい写真が撮れます。近づくと逃げられるので、動きが俊敏な昆虫を被写体にする場合は、35mm F3.5 Macroよりも適しているかもしれません。

P6270022
f/3.5, 1/2500s, ISO: 200

「美しい背景ボケ」という表現は私はどうも好きになれません。ボケという日本語は英語のbokehになっており、OS X標準搭載のNew Oxford American Dictionaryによると、”the visual quality of the out-of-focus areas of a photographic image, especially as rendered by a particular lens”とあり、ピンぼけであることは変わりありません。狙った被写体にピントが合っていても、その背景と前景がボケている上のような画像は受け入れられない。

P6270027
f/7.1, 1/400s, ISO: 200

「背景ボケ」という表現だけではなく、絞りを開放気味で撮影するそうした撮影技法も私は好きになれません。上の画像のように前景のみをぼかした場合は許容できます。なぜ私は背景ボケが嫌いなのか?人生の歴史を紐解いて中学生の頃まで遡ると、その原因がわかります。近視になっても、私はメガネをかけることを嫌ったので、しばらくは遠くがよく見えない状況でした。

P6270029
f/4.0, 1/2500s, ISO: 200

そんな私を見かねて当時、総合病院に勤務していた叔父が同僚の眼科医を紹介してくれました。アメリカから輸入したコンタクトレンズなるものがあるので、着用してみてはどうかということでした。

P6270008
f/5.0, 1/640s, ISO: 200

それは国内ではまだ一般に流通していないボシュロム製の直径が大きなソフトコンタクトレンズでした。保存液と洗浄液は町の薬局では売ってないので、その眼科医から顆粒剤を分けてもらい、精製水で溶かして使用していました。今から思うと、私はコンタクトレンズ市場導入期の試験的な初期ユーザーだったかもしれません。米国製の直径が大きなコンタクトレンズを装着するには、目がぱっちりしていた私はちょうど都合が良かったのでしょう。コンタクトレンズを着用すると遠くまでくっきりと見えるようになりました。

遠くがくっきりと見えないのは我慢できないという十代の頃の経験が、背景ボケ嫌いにつながっており、被写界深度を異常なまでに気にするようになったのだと思います。

P6270009
f/5.0, 1/400s, ISO: 200

このレンズの最短撮影距離は0.5m。ピントがなかなか被写体に合わないのはなぜなのか?ボディーとレンズのこの組み合わせは、オートフォーカスが迷いやすいと私は勘違いしていました。原因は被写体に寄りすぎていたために、最短撮影距離よりも短くなっていただけでしょう。

P6270010
f/5.0, 1/600s, ISO: 200

Amazonでの実売価格が2万円代半ばとなったこのレンズ、価格からは想像できないほどシャープです。

P6270008
f/1.8, 1/100s, ISO: 1600

このレンズの本来の用途?で撮影するのは初めてなので、記念に一枚。

4 thoughts on “Olympus PEN E-P5 w/M.Zuiko Digital 45mm F1.8

  1. 久しぶりにこの写真を観ました。
    初めての夜空の撮影、今でも忘れません。
    このレンズ、近い距離での撮影は難しいですが、程よい距離があるとシャープさがたまりません。
    プロレンズも欲しい所ですがコスパの良い優秀なレンズです。F1.8のプレミアムシリーズ侮れません。

    1. このレンズで伊丹空港千里川堤防から夜に着陸する飛行機の写真を撮りました。レンズが明るいと屋内や夜の撮影には大きな威力を発揮します。月齢と天候条件が良い日に星雲の撮影に挑もうと考えています。ポートレートの場合、換算90mmなのでちょっと距離をおいた方が良いですね。

  2. 筆者 様

     45mm F1.8 でこの綺麗さは凄いですね。レンズの磨きと組み立て調整に興味を持ちますね。それ比にしても、各々の写真が綺麗で驚きました。極端な言い方ですが、チョウチョの場合、鱗粉が見えそうな気がします(笑)。

    Jim,

    1. このレンズの外装はどこまでも金属のように見え、手にしてみても金属の質感がありますが、実は金属調のプラスチック製のようです。言われなければわからないところに優れた製造技術があるのだと思います。レンズは光学機器専門メーカーらしい精緻な造りです。電子機器と化したカメラボディーの方は不具合が起こったりします。至近距離からマクロレンズで撮影すれば、鱗粉がレンズに付着することがあります。

Leave a Reply

This site uses Akismet to reduce spam. Learn how your comment data is processed.