Jules Bianchi

DSC_5772

シンガポールのドライバーズパレードでは唯一、我々がいた屋上の方に向けて手を振ってくれたMarussiaのフランス人ドライバー、Jules Bianchi。2週間後に台風18号が近づく雨の中、予定通りに開催された日本グランプリ終盤で起きた事故のため、頭部に損傷を負い、今尚、重篤状態が続いているようです。

DSC_6417

SauberのAdrian Sutilが43周目にハイドロプレーニング現象によるトラクション損失のため、ダンロップコーナー外側出口付近でタイヤバリアに激突。直後にダブルイエローフラッグが振られ、トラクターがコース内に入り、Sutilのマシンを吊り上げて、安全な場所(タイヤバリアのギャップ)に後退させながら移動させている時に、Jules Bianchiのクラッシュが起きたようです。減速して走行していたはずのJules Bianchiのマシンが次のラップで同じダンロップコーナー出口付近でなんらかの原因(恐らくハイドロプレーニング現象)でマシンが制御不能状態に陥り、作業中のトラクター後部に高速で激突し、マシンは大破。

国際映像ではSutilのクラッシュのみが放映され、Jules Bianchiのクラッシュはあまりにも衝撃的で悲惨であったためか、レースディレクターの判断で映像は非公開となりました。F1中継でクラッシュシーンが非公開となるのは極めて異例。それほど、凄まじい激突だったのかと逆に心配せざるを得ません。

事故が起きたダンロップコーナー出口付近には近くにスタンド席がなく、事故の瞬間を撮影していた観戦客がいなかったのか、あるいは撮影した画像や動画を公開することを躊躇しておられたのか、その瞬間は不明でした。月曜の夜になって、遠く離れたシケインのQ2席から撮影していた観戦客が投稿した動画が公開されました。想像をはるかに超えるスピードでマシンが激突し、トラクター後部が浮き上がるほどの勢いであったことが、明らかになりました。

後から何を言っても結果論になりますが、セーフティーカー出動が予想される雨のレースでは2時間ルールが適用される可能性もあり、午後3時に開始していたのではレースが終了する頃には薄暗くなります。実際、晴れていた金曜の午後5時頃は薄明がすでに始まっていたので、雨であればもっと暗くなるはず。日本グランプリは昼間のレースだから照明設備があってもライトは点灯しない方針。その辺りにも問題があったように思います。

Jules Bianchiの状態が早く回復することを祈っております。

2 thoughts on “Jules Bianchi

  1. F1が競技から興行にウェイトが掛かり過ぎたことが影響している気がします。F1を深く知らないからそう思うのかもしれませんが、なにか面白くなくなっている気がします。品格に曇りが出ているような。

    1. YouTubeに投稿されていたクラッシュシーンを撮影した動画は、著作権を根拠にFOMが削除したようです。その著作権を元にFOM (Formula One Management) はテレビ放映権を販売しており、買い手の大半を占めるヨーロッパで視聴率を維持するために、日本グランプリも開始時刻が遅くなっています。赤旗中断時は時計が止まるので、今回の鈴鹿でもし事故発生後に中止しなければ、2時間ルールを適用しても終了時刻が5時を過ぎてしまうトワイライトレースになっていたかもしれません。

      金曜と土曜はドライコンディションだったので、今年のマシンで鈴鹿をウェットコンディションで走行するのが決勝レースが初めてになってしまったことも、事故発生の遠因の一つかもしれません。

Leave a Reply

This site uses Akismet to reduce spam. Learn how your comment data is processed.